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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

「あー、楽しかった!」

足取りも軽く、上機嫌で席に戻ると

「テリオス、はしゃぎすぎよ」

姉上が少し顔をしかめた。

「何で?」

色とりどりの花やバルーンで飾られた会場。

宴席で料理を振る舞われていた時、広場でダンスが始まった。

誰でも気軽に参加してとの呼び掛けに、俺も手を挙げたんだ。

「姉上も体調が良ければ誘ったのにな」

へへっと笑うと、姉上は困ったような表情を浮かべた。

「振り付け教えてもらって、一緒に踊って…皆も楽しそうだったし」

「テリオス様と踊った女の子は、特に喜んでいましたね」

ジュークがクスクス笑いながら補足する。

「『王子様と踊るなんて夢みたい』って、目を輝かせていました」

「あの子、12歳だって。上手に踊ってたよ」

ジュークに笑いながら返すと

「そう…」

姉上はそう呟き、暗い表情のまま俯いた。

「姉上…?」

あれ?元気ないな。

どうしたのかと姉上を見ていると、ディオが短く息を吐いた。

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