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プリンス×プリンセス

第27章 4回目

嫌な予感ほど当たる。

昔からよく聞くこの言葉が、本当なのか嘘なのかはさておき。

朝から、確かに嫌な予感はしていたんだよな…


ため息を付く俺に、ジュークはにっこりと目を細めた。

「よくお似合いですよ?」

「そりゃどうも」

皮肉たっぷりに返したのに、ジュークはいつもと変わらない笑みを浮かべている。

…ったく!!

鏡に写る自分を見て、苦笑いしか出てこない。

シルフィ、腕を上げたよな。

どこからどう見ても、姉上にしか見えない。

もう2度とこんな格好をするもんか!!

そう思っていたのに…

姉上の不調。

それも理由の1つ。

だけど、それ以上に原因なのは…

脳裏をよぎるのは、チョコレート色の縦巻き髪を揺らす、きつね目の女性。

『可愛らしい方なのね』

くすくす笑いながら話す、あの口調。

リシャール国のバネット王女。

あの時出会ってなければ、こんな事にはなってなかったのに…っ!!

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