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プリンス×プリンセス

第27章 4回目

パレードが終わって、一旦ホテルへ移動しようとしていた時

「ディオチェスター王子!!」

辺りに響き渡る程の大声で呼び止められて、俺達は足を止めた。

「リシャールか…」

ディオは小さく舌打ちをして、苦々しげに呟いた。

ん?何だ!?

ディオの態度に目を見張ると、次の瞬間には笑みを浮かべて振り向いた。

「お久しぶりですね。お元気そうで何よりです」

にこやかな口調からは、さっきの不快さは微塵も感じられない。

視線の先には、50代くらいの恰幅のいい男性がいた。

「おお!ディオチェスター王子こそ」

男は口ひげを撫でながら、上機嫌に答えた。

リシャール…って言ったな。

リシャール国と言えば、油田と重化学工場で外貨を稼いでる国だ。

国として景気もいいけど、大気汚染や犯罪率の高さでも国際問題になっている国。

その国の…国王?

「そうそう。結婚をされたのだな」

リシャール国王は、小刻みに頷きながらディオを窺うような眼差しを向けた。

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