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プリンス×プリンセス

第27章 4回目

「それで…奥方は?」

キョロキョロと周りを見回したバネットに、ディオは薄く笑いかけると

「ああ…気分が優れないとの事で、先に休んでいる」

「あら、この折りに仲良くさせて頂きたかったのに残念ですわ」

ディオに笑いかけて楽しげに答えるバネットに、俺は好印象が持てなかった。

始めから、姉上がいないことを分かっていて聞いてきた。

結構な女狐じゃないか!?

俺がバネットをじっと見ていると、今気付いたかの様な体でディオに聞いた。

「こちらは?」

「ティアナ…妻の弟だ」

「初めまして。エストラーザ第2王子のテリオス・シビリアンです」

表面上はにこやかに。

だけど内心は、ムッとしながら名乗った。

本人が目の前にいるのに、俺を無視してディオに聞くなよ!

すると、バネットは目を細めて、値踏みをするように俺を見た。

そして小さく笑うと、肩にかかった髪を後ろに払った。

「エストラーザ…ああ、あの」

あの?

その言い方にカチンときた。

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