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プリンス×プリンセス

第28章 晩餐会で…

「ではお前は奴と踊るつもりだったのか?」

からかうような口調に、怒りが沸き上がってくる。

「んな事するかよ」

「だったら結果は同じだ」

急に歩みを止めるから、俺も足を止めてディオを見上げた。

すると、ゆっくりと俺に向き直り

「誰に何を言われようが、俺の気持ちは変わらない」

声を抑えずに話すから、周りの人が俺たちを気にしてるのが分かった。

おい!何の話だよ!?

「さっきも言ったが、一番にお前と踊るのは俺だ」

そして、その場で片膝を付くと、俺を見上げて

「一曲お付き合い下さい、姫」

誘い文句と共に、手を差し出した。

何でそうなるんだよ!!

ダンスなんかしないで帰ったっていいだろ!?

だけど、こんなダンスホールの真ん中で!

周りの人の目のある場所で言われたら…!

俺は怒りで震える頬を引き上げて、何とか笑みを浮かべると

「ええ、喜んで」

小首を傾げて、差し出された手を取るしかなかった。

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