テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第28章 晩餐会で…

目の前に現れた人の名を思わず呟いた。

あれ?

マキシマム王子との話はもうよかったのか?

そんな俺の疑問はよそに、ディオは顎を上げて見下すような視線で俺と男を見た。

何か…威圧感、半端ないんだけど!!

「ディオ…ああ!!フェールロコノの!!」

男はやっと合点がいったように叫ぶと、俺に向けていたのとは違う笑みを浮かべ、ディオにすりよっていった。

「こんな場所でお会い出来るとは!!私は…」

「悪いが」

自分を売り込もうと必死な男を、ピシャリとはねのけ

「今日、妻と一番に踊る権利は誰にも譲る気はない」

男にそう言い放つと、俺に手を差し出した。

「待たせたな。行くぞ」

「は…はい」

慌てて立ち上がると、男がホッとしたように笑みをこぼした。

「申し訳ありません」

「いえ、また機会がありましたら」

そう言ってにっこり微笑む男に会釈をして、ディオの後を追って歩く。

「ちょっと今の態度、キツくないか?」

小声で文句をこぼすと、ディオが冷笑を浮かべた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ