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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

今日1日、ディオが着けていた薔薇の花。

この赤が、ディオの髪と瞳に似合っていた。

俺よりもディオの方がよっぽど…

『美しいな』

ディオの声が頭に響く。

その途端、ぞわっと背筋を何かが走り抜けた。

「……っ」

摘まんでいた花弁が、指をすり抜けて水面に落ちた。

何か…おかしい。

薔薇の香りが何だか妙に甘ったるく感じる。

そのせいなのか?

何だか胸がドクドクする。

息苦しくて、頭がふわふわして…

うわ…ヤバい。のぼせたかも?

口元に手を当てて、大きく息をついた。

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