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プリンス×プリンセス

第30章 私じゃない

恐縮するシルフィに、首を振って安心させると

「いえ…そんな話になっているの?」

私がディオに進言して、皆へ贈り物をした…って?

あまりに飛躍した話の展開に、頭がついていかない。

何とか考えをまとめていると、シルフィが笑顔で頷いた。

「はい。ティアナ様がいらしてから、ディオチェスター様が変わられたと評判なんです」

そんな話、初めて聞いたわ。

確かに、出会った頃と今では、ディオも少しは打ち解けてくれているような気もするけど…

「いい方と御結婚されて、本当に良かったって皆言ってるんですよ?」

「そう…そう言ってもらえて嬉しいわ」

城の皆がそう思ってくれているから、私に優しく接してくれているんだと分かる。

でも…それは誤解だわ。

お土産は私じゃなくて、テリオスが言い出した結果でしかない。

私は何もしていないのに…

笑顔で接してくれるシルフィに気付かれないように、ため息をついた…

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