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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

きっかけは、兄上からの電話だった。

久し振りの兄上の声に、懐かしさと照れくささを感じていると

「明日、こっちへ戻れないか?」

突然すぎる申し出に唖然としてしまう。

「特に予定もないのだろう?」

完全に決めつけてるよな。

ま、確かにその通りなんだけど…

「明日、何かあるのか?」

「詳しくは戻ってからだ。とにかく戻ってこい」

一方的に話を打ち切られ、通話まで切られた。

釈然としないものの、断る用事もない以上、エストラーザに行くしかないか…

姉上に報告しようと、姉上の部屋へ向かう。

ノックをして声をかければ、シルフィがドアを開けてくれた。

部屋へ入れば姉上に…何故だかジュークもいた。

「何だ。取り込み中か?」

姉上の部屋に来るなんて珍しいじゃないか。

「スケジュールの確認です」

ジュークはさらりと答えて、再び手帳に目を落とした。

「出直そうか?」

「いえ。こちらはもう伝えましたので」

ジュークはパタンと音をたてて手帳を閉じた。

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