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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

「テリオス、お兄様はどうだったの?」

姉上に話を向けられて、ジュークから目を移した。

「あ、そうそう。その話なんだけど」

にこりと微笑む姉上に、俺も微笑んで

「俺、明日エストラーザに帰るから」

一息に告げると、姉上が目を見開いた。

「明日?」

「…また、急ですね」

ジュークも俺を見て、驚いている。

いやいや、お前には言ってないんだけど?

「電話のせい?何があるの?」

急に呼び出されるのが、あまり良いイメージではないのかな?

姉上は不安げな目で俺を見つめる。

そんな姉上を安心させるように、わざと明るく答えた。

「分かんないけど、とにかく戻ってこいって」

「そう…」

顔を俯かせて沈んだ声で応えた姉上の頭を撫でると

「姉上、そんな顔しないでよ」

顔を覗き込んで、にこっと笑って見せるけど

「寂しくないなんて言えないもの…」

姉上はぼそりと呟いて眉を寄せた。

「またこちらへ来れるかしら?」

姉上の言い方に、思わず吹き出して笑った。

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