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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

花見を終えて、入口へ戻っていくと、おっちゃんが話しかけてきた。

「あ?もういいのか?」

「うん。堪能した」

な、とカムリに笑いかければ、カムリも微笑んで頷いた。

「だってよぉ…別れは辛いだろ?」

首を傾げたおっちゃんに、吹き出して笑い声を上げる。

「そんな…2度と会えない訳じゃないし」

笑いながら答えると、おっちゃんは目を丸くして俺を見た。

「ん?坊っちゃんは明日、サーバル国へ行くんだろう?」

へ?

「サーバル国?」

おっちゃんの口から告げられた国名に、俺の方こそ目を丸くした。

「知らない。兄上からは何も聞いてないし」

「明日、サーバル国のシエンタ王女のバースデーパーティーに行きなさるのでしょう?」

バースデーパーティー!?

「俺が?」

シエンタ王女なんて、直接の知り合いでもないのに…何で?

「当然でさぁ‼」

話が飲み込めない俺に、おっちゃんは畳み掛けるようにこう言った。

「坊っちゃんのご結婚相手なんですから」

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