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プリンス×プリンセス

第33章 騙された‼

何だよ‼

せっかくカムリとのいい思い出作りが出来たと思ったのに‼

城までの時間がこんなに長くてイラつくなんて思ってもいなかった。

それが態度に出ているんだろう。

カムリも話しかけてこないで、運転に集中している。

…兄上め!

人の結婚相手を勝手に決めるなよ!

しかも1度も会ったことのない子なんて‼

とても納得いかない‼

城に着くと、従者がカムリから荷物を受け取って運んで行った。

「テリオス様、あの…」

窺うような視線で、何を聞きたいのか分かった。

おっちゃんが言ってた、結婚相手の事だろ?

だけど…

「ごめん、カムリ。中で休んでいって欲しいところだけど、城に入ったら騒動に巻き込まれるから、このまま帰ってくれ」

カムリは一瞬驚いて目を見開き…ぎこちない笑顔を浮かべた。

「あ…分かりました」

ごめんな。こんな別れかたになって。

「事が済んだら、また必ず行くから」

「はい。…では、その時はまたお迎えにあがります」

「うん。頼むな」

カムリは一礼すると、車に乗り込んだ。

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