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プリンス×プリンセス

第33章 騙された‼

さて、と。

カムリを見送った後、大きく息を吐くと、勢いよく歩き出した。

今の時間なら、兄上は自室だろうか?

真っ直ぐに兄上の部屋を目指すと、ノックと同時に扉を開いた。

「兄上‼」

そのまま部屋へ踏み込めば、本棚へ本を戻していた兄上がジロリと俺を睨んだ。

「テリオス、騒々しいぞ」

「ごめん!だけど」

俺の言葉が聞こえていないのか?

「お前がいなくなってから穏やかな空気が流れていたのに、帰ってきた早々にこれか」

大きく息を吐き肩をすくめてみせる兄上に、思わず頭を抱えそうになる。

だったら呼び戻さなければ良かっただろ!?

頭を振って考えを追いやると、兄上の前に立ちふさがった。

「兄上。明日、サーバル国へ行くのか?」

要点だけ直球で聞けば、兄上は眉を上げた。

「情報が早いな。どこで知った?」

「そんなのはどうでもいいだろう!?」

バン‼と棚を叩くと、兄上が苦笑めいた笑みを浮かべて俺を見た。

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