テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第35章 噴水の前での約束

そう言って、照れたように頬を染めると

「今年は…成人してから初めての誕生日でしたので、大掛かりになってしまいました」

ああ、それで…か。

納得していると

「個人的な事でお呼び立てしてしまって…ご迷惑ではありませんでした?」

眉を下げて不安そうな表情で聞いてきた。

「いえ、そんな事は」

ただ、急に結婚相手だと言われて戸惑ってはいるけど。

…シエンタ王女はどうなんだろう?

彼女にも、結婚の話は届いているんだろうか…?

「テリオス様はフェールロコノにいらっしゃったのですよね?」

急に話を振られて、返答が遅れた。

「え…あ、はい」

「そちらではどういった事を?」

シエンタ王女にとっては何気ない質問だろう。

だけど言葉に詰まってしまう。

俺がしている事は…姉上の身代わり。

あと、薔薇の世話だ。

それをそのまま伝えてしまうなんて…絶対に出来ない。

「姉上のサポート…ですかね?」

自分で言っても白々しい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ