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プリンス×プリンセス

第35章 噴水の前での約束

苦笑いを浮かべて誤魔化そうとしたら、

「ご一緒に外交へ向かわれたり…お忙しそうですね」

へ!?

シエンタ王女の言葉に、笑みが凍りついた。

「いえ、それほどでは…」

呟く位の声しか出ない。

姉上のサポートとして付いていったのは、あの時だけだ。

戸惑う俺に、シエンタ王女は明るく話す。

「テリオス様の記事、読ませて頂きました」

記事!?

シエンタ王女があげた雑誌名は、ついこの間に姉上が見せてくれたアレと同じ名前だった。

シエンタ王女もアレを見たのか…

「写真のテリオス様はとても朗らかで。あんなに外交先で楽しそうに過ごされてる方を初めて見ました」

「そうですか…?」

口元を押さえて表情を隠した。

それはどういう意味なんだろう?

誉められてるのか?

それとも…馬鹿にされてる?

ディオだったら、確実に後者だよな。

そして、こう言うんだ。

「遊びに来た訳ではない。もっと自覚しろ」

…って、おい!

何でディオの事を気にしてるんだ!?



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