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プリンス×プリンセス

第36章 企み

シエンタ王女の誕生日会から、2ヶ月が経とうとしている。

その間も、大体1週間に1度くらいのペースで、シエンタと会う機会に恵まれた。

気が強いのかと思えばしおらしかったり。

怒ったと思えば、笑顔で話かけてきたり。

感情が豊かなシエンタといると楽しいんだけど…

彼女のペースが掴めない時が、妙に多い気がする。

例えば、こんな時。

「テリオス様、ティアナ様はお元気でいらっしゃいますの?」

シエンタが姉上を気遣ってくれているのが嬉しくて、俺も笑顔で答える。

「はい。楽しく過ごしている様ですよ」

実際、悩みごととか相談をされることもなくて。

上手くいっているんだと思う。

けれど、シエンタは小首を傾げた。

「テリオス様がいらっしゃらなくて、お困りな時があるのでは?」

「どうでしょうね」

答えながら、苦笑いを浮かべてしまう。

お困りな時…姉上が倒れたりしたら、ジューク辺りが『お困り』になるのかもな。

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