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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

「私が無理を申し上げてお会いしたいとお願いしたのです。私が出向くのが当然です!」

シエンタは頬を赤らめて必死に訴える。

その姿に、目を細めて笑ってしまった。

そんなこと気にしなくてもいいのにな。

だけど、彼女なりに気を配った結果なんだろう。

そう思って、フェールロコノへ向かう事にしたんだ。

「姉上は、早く会いたかったって言ってたし。気にしなくて大丈夫だよ」

不安げな瞳を揺らすシエンタを励ました。

結婚なんて、まだ実感はない。

だけど…もしもこのまま、うまく付き合っていけたなら…

シエンタの頭を撫でると、ビクッと肩を震わせて俺を見つめてくる。

その先に、そういった関係も…あるのかもしれない。

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