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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

フェールロコノに着いて、車から降りた。

帽子を目深に被り、ドアを開けた際に頭を下げたままの運転手の横を通り抜け、城を見上げた。

戻ってきた…のか?

いや、今回はシエンタの付き添いみたいなもんだ。

戻るっていうのとは訳が違う…よな?

「大きなお城ですのね」

シエンタの圧倒されたかのような口調に、はっと我に返った。

「そうですね。私も最初は驚きました」

口元に笑みを浮かべ、シエンタを誘って入り口へ向かう。

俺とシエンタ、そしてお付きとして同行したアリオンの三人で歩いていると、前方から声をかけられる。

「お待ち申し上げておりました。お帰りなさいませ」

「ジューク。出迎え、ご苦労」

「いえ。当然です」

相変わらず、本心が見えない微笑みを浮かべやがって!

でも、こんな時はこいつみたいに『仕事モード』で扱われた方が気が楽だ。

「ジューク。こちらがサーバル国のシエンタ王女だ」

俺の紹介に、ジュークが頭を下げて挨拶をする。

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