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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

シエンタが顔を上げたタイミングで、姉上が声をかける。

「テリオスの姉のティアナよ。お会い出来て嬉しいわ」

にこりと微笑んだ姉上に、シエンタも笑みを返すと

「ありがとうございます。…あの、これを」

アリオンに預けていた袋を受け取ると、姉上に手渡した。

「ありがとう。開けてもいいかしら?」

シエンタが頷くのを確認すると、袋から包みを取り出して…

「まぁ…可愛らしい」

包みの中から現れた白色のウサギのぬいぐるみに、姉上の頬が緩む。

「私の大好きなぬいぐるみで…飾って頂ければ幸いです」

シエンタはほっとした様に、少し早口で話す。

「ありがとう。嬉しいわ」

姉上が喜んで受け取ると、ジュークが袋に手をかけた。

「お預かりします」

その申し出に、姉上は小さく頷いた。

そのまま、袋ごとぬいぐるみをジュークに預けると、

「どうぞこちらへ。お掛けになって」

部屋の奥のテーブル席へ、俺達を招いた。

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