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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

安心させようと口を開きかけたら

「シエンタ王女、フェールロコノへようこそ」

ディオの呼び掛けに、シエンタの姿勢がピシッと音がするくらい正しくなった。

ディオ…?

妙な威圧感を漂わせて、シエンタへ呼び掛けるディオに、思わず眉をしかめた。

何だよ。

歓迎してる態度とは、えらく違わないか?

「あ…私のわがままにお付き合いくださいまして、ありがとうございます」

ぎこちないしぐさで頭を下げたシエンタの前へ歩み寄ると

「ディオチェスター・ヴェゼル・アスプレイだ」

そう言って吊り眉を少し上げた。

頭を下げたシエンタは気付いてない。

だけど、この…見下されてる感は何なんだよ!?

眉をしかめたまま、ディオを睨む。

すると、俺の視線に気付いたのか…

俺を見て、片方の口角を上げると、冷笑を浮かべた。

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