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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

ディオがいることで、もっと形式ばった顔合わせになるかと思っていたのに。

ジュークが淹れた紅茶と、姉上が手作りしてくれた焼き菓子。

アットホームと言ってもいいほどに居心地よく、シエンタも打ち解けたような笑顔を浮かべていた。

「じゃあ、あの雑誌を見て、テリオスが気になったの?」

「そうなんです。お恥ずかしながら…ですけど」

姉上の愉しげな声に、シエンタが頬を染めながら答える。

前にも聞いたけど、改めて…しかも姉上の前で言われると、こっちまで気恥ずかしくなる。

にやけそうになる顔を隠そうと額に手を当てると、俺を見たディオが小さく嗤った。

何だよ!!何か文句でもあるのか!?

眉間にシワを寄せてディオを睨みつける。

すると、姉上が紅茶を飲み、深い息をついた後

「でも…良かった」

満足そうにそう呟くと、にっこり微笑んだ。

「私…ディオのもとへ嫁いで、皆にも助けられながらだけど、今、とても幸せだと思っているの」

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