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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

その言葉に、ディオが薄く笑う。

その笑みに、胸がどくんと音をたてた。

姉上と、ディオ。

いつの間にこんな…仲が深まったんだろう?

「だから、テリオスにも幸せになって欲しい」

俺の戸惑いに気付くわけもなく、姉上は俺とシエンタを交互に見ると

「あなたたちがうまくいくといいと、心から願ってるのよ?」

「ありがとう、姉上」

本心を言えば。

俺の中で、シエンタと結婚するとかそんな確信めいたものはまだない。

だけど、姉上じゃないけど、このままいい関係が築けていければ…

その先に、そういった仲になれるかもしれない。

そんなことを考えながらシエンタを見れば…

シエンタは顔を強張らせて、姉上を見て…

いや、違う。

シエンタが見ているのは姉上じゃなくて、その横のディオだ。

「…お幸せなんですね」

「え?」

聞き返す姉上には目もくれず、ディオを見つめたまま、シエンタは問う。

「ディオチェスター様は、ご結婚をされて、お幸せなんですね?」

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