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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

「もしかして…また特集が組まれたのですか?」

あれ…?

質問するシエンタの口調が、また硬くなった。

それに気付いているのかいないのか。

「ただ、取材を受けただけだが?」

ディオが素っ気なく答えると、シエンタは口を固く結んでしまった。

さっきから、姉上が絡む内容になると、シエンタの口調が変わるような気がする。

ぬいぐるみに仕掛けた盗聴器といい…

もし、俺の気のせいでないなら…

考えを巡らせていると、アリオンが電話を終えたらしい。

運転手に携帯電話を返し、俺達に頭を下げた。

「申し訳ありませんでした」

「話は済んだのか?」

「はい」

顔を強張らせたままのアリオンへ、シエンタが小さく声をかけた。

「アリオン…」

「ご心配なく。大した問題ではありませんでした」

安心させるように言うけど、とてもそうは思えない。

「でも…」

シエンタが言いかけた時、ジュークが戻ってきた。

「お待たせ致しました。こちらです」

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