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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

「君がテリオスを見初めたのも、あの雑誌がきっかけだったな」

「え…ええ、そうです。謝肉祭の時の…」

シエンタは相槌を打ちながら、どこか釈然としない表情を浮かべた。

ま、そうだよな。

その話はもう姉上としたから。

俺がにやけたら、お前は薄笑いを浮かべやがったじゃねぇか。

聞いてなかった訳じゃないだろ!?

「君は毎号拝読しているのか?」

「そういう訳では…。あの時はたまたま目にしただけで」

「ほぉ…たまたま、偶然か」

シエンタがぎこちない微笑みを浮かべる。

ディオの質問の真意を図りかねてるんだろう。

このタイミングで…ディオはどうしてそんな事を聞くんだ?

「その雑誌でしたら、先程最新号が届きました。ご覧になりますか?」

ジュークがフォローを入れると、ディオが小さく笑った。

「ああ、そうだな」

ジュークが雑誌を取りに行き、姉上がディオへ話しかける。

「もしかして…この前の記事が?」

「多分な」

ディオの答えに姉上が照れたように笑う。

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