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プリンス×プリンセス

第40章 俺の意思

「シエンタ様!?お待ちください!!」

怒って部屋を飛び出したシエンタを追いかけて、アリオンも部屋を出ていく。

二人のやり取りに一瞬ぼんやりしていた運転手が、俺へ話しかけてきた。

「あの…テリオス様?」

「ん?何だ?」

「テリオス様も…一緒にお乗りになりますか?」

へ?

思わず瞬きを何度もして運転手を見た。

こいつ…今の状況を見て、それを聞くか!?

「いや、俺はいい」

って言うか、普通なら乗れないだろ。

するとディオが運転手へ声をかけた。

「こちらで何とかする」

「って事だから」

「はい。では失礼します」

どこかホッとした様に返事をして頭を下げた運転手へ

「シエンタを無事に送り届けてくれ」

ディオがそんな事を言うなんて。

こいつにも思いやりってもんがあったのか。

「はい、かしこまりました」

運転手は再び目礼すると、その場から下がっていった。

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