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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

俺は…姉上を守りたいんだ。

なのに、こんな気持ちになるなんて…

「…俺が女なら良かったのかな…」

ため息混じりに呟くと、ディオは片方の眉を上げて、唇を曲げた。

「お前が姫なら、お転婆のやんちゃな姫だったろうな」

からかい気味に語られても、腹は立たない。

確かにな。

姉上みたいに大人しくなんかしてなかっただろう。

でも…

「いくらお転婆で無鉄砲な姫だったとしても、姉上を守るなんて…兄上が許さないだろうな」

「…何が言いたい?」

「つまり…ここに来ることもなくて、こんな事になってなくて」

ジュークだって、言っていたじゃないか。

『私は…それでティアナ様が悲しまなければいいと思うだけです』

俺は、姉上を悲しませる為にここに来たんじゃない!

「姉上を裏切りたくない」

はっきりそう告げると、ディオが目を伏せた。

「それがお前の不安か」

「姉上だけじゃない。お腹の中の子供も」

ディオの腕がピクンと震えた。

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