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プリンス×プリンセス

第43章 酔ったせいにして

ディオの部屋のドアをノックして中に入ると、ディオはテレビを見ながらワインを飲んでいた。

「来たか」

クスッと笑われて、心臓がドクンと音をたてる。

来いって言ったのはお前だろうが!?

「来ちゃいけなかったか?」

渋い表情を浮かべて聞くと、ディオは自分の前の席に俺を招く。

「飲むか?」

自分のグラスを掲げて俺に聞いた後

「それともお前はこっちの方がいいのか?」

ニヤリと笑って、テーブルに置かれたチョコレートを薦められた。

子供扱いすんなっての!!

俺が黙ってグラスを手に取ると、ディオがワインを注いでくれる。

深いルビー色の、薫り高い赤ワイン。

照明に透かして色彩を楽しみながら聞いた。

「お前が部屋で飲んでるの、珍しいな」

食事の時に嗜んでいるのなら見たことがある。

だけど、部屋ではソフトドリンクしか飲んでいなかった気がする。

「執務が早く終わったのでな」

「…案外と真面目なんだな」

別に酒を飲みながら仕事したって咎められないだろうに。

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