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プリンス×プリンセス

第43章 酔ったせいにして

掴まれた手を振りほどいて、ディオを睨み付ける。

「姉上の事をもっと考えろよ!!」

「考えては…いる」

ディオは呟くように言うと、グラスを空にした。

そして、トンと音を立ててグラスをテーブルに置くと

「だが、お前に嘘を言っても仕方がないだろう?」

俺をまっすぐに見た。

その目に…引き込まれそうになる。

「ディオ…酔ってんのか?」

酔ってるんだろ!?

じゃなきゃ…そんな表情、しないじゃないか。

いつもの、冷徹な…何を考えてるのか分からない顔はどうしたんだよ?

ディオは黙ったまま俺を見ている。

これ以上はまずい。

頭の中で警告が聞こえた。

「酔っぱらい相手に話しても無駄だ。じゃあな」

急ぎ足でその場を去ろうとした…のに!

腕を引かれて、バランスを崩したところを背後から抱き止められて…

「おい…っ!!」

「酔ったせいにするか?」

耳元で囁かれて、その吐息にくすぐられて…

「やめろ…」

呻く事しか出来ない俺に、ディオは笑みを浮かべた。

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