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プリンス×プリンセス

第44章 唇の痕

「やめろ?」

俺を抱き込むように腕を狭めると

「嫌がっているようには見えないがな」

面白がっているかのような口調に、顔が熱くなる。

「…っ!?」

ディオは腕で俺を捕らえたまま、指先で俺の襟元を寛がせると、俺の首辺りを見た。

「この前のか」

この前?

何の事だと聞く間もなく、ディオが身を屈めると、俺の首元に唇を這わせて…

「やめ…っ!んっ…!!」

もがくのに、ディオの腕の力が強くて引き離せない。

そのうち、ピリッとした痛みが走った。

「ディオ!!」

「相変わらず痕が残りやすいな」

感心したように呟かれて、恥ずかしさが沸き上がってきた。

「だから…っ!!」

ディオへ文句を言おうとしたのに。

見上げた途端、唇をディオのそれで塞がれた。

「んっ…!」

顎を上げられて、のけ反るような体勢でキスを受け止める。

舌で唇を突っつかれ、思わず緩んだ口元から口内を嬲られて…

溢れた唾液がつう…っと頬を伝った。

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