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プリンス×プリンセス

第44章 唇の痕

「んぁ…ふ…うぅ……」

呼吸と共に、自分のものとは思えない甘い声が漏れる。

ディオの舌に触れる度に、舌先がビリビリして…

くちゅくちゅと音をたてて口づけを深めていく。

キスだけ。

キスしてるだけなのに。

俺の下腹部の熱い塊が昂っていくのを自覚していた。

熱くて、苦しくて…でも、気持ちよくて…

唇が離れて、やっと楽に呼吸が出来るようになって。

瞼を開けて吐き出した息は、何故か震えていた。

そんな俺に、ディオがくすりと笑みを溢すと

「いい表情だな」

「…へ?」

キスの気持ちよさに、ぼんやりとその顔を眺めていると

「そんな顔をされると、抱きたくなる」

そんな言葉と共に、頬にキスを落とされ、ドクンと心臓が跳ね上がった。

なっ…何だ!?何が起きた!?

キスの余韻も吹き飛んで、慌ててディオから距離を取ろうともがく。

だけどディオは離してくれなくて…

その顔を見て、俺も暴れるのを止めた。

そっちこそ…そんな顔するなよ…

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