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プリンス×プリンセス

第47章 見ていられない

その日以来。

ディオが姉上に優しくなった。

……いや、違うか。

姉上を気遣う素振りを、大っぴらにするようになった。

城の従者も、姉上すらその対応に面食らい…

だけど、誰もが納得した。

『やっぱり、親になると変わるものか』

そして、その変化を好ましく受け止めていた。

……俺以外は。

思わず笑ってしまう。

自分で言い出した事なのにな。

ディオは俺の望み通りにしてくれているのに。

その事に不満なんてあるわけはないのに。

……何でこんな気分になるんだろう?

今日だってそうだ。

ディオと姉上が市内を視察するのに、俺も同行している。

場所は小学校。

長年の伝統と、格式の高さが自慢の小学校で、ディオもここの出身らしい。

まぁ、王家の人間が通うんだからな。

それなりの学校であるのは当然なんだろう。

だけど、今日視察した理由が…

『産まれてくる子供もこの学校に通うだろうから』

いくら何でも早すぎないか!?

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