テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第47章 見ていられない

予想外のフレーズに、空気が漏れるように力のない返事をすると、ジュークは小さく笑いをこぼし

「いえ、金縛りにあったと聞いたので」

金縛り…

その単語に、張りつめていた気が急激に抜けていった。

何だよ。思わせ振りな言い方しやがって!

そんな俺を見て、ジュークは喉の奥でくくっと笑っている。

その笑いは何なんだよ。

それに、その前の謎かけみたいな質問は…どういうつもりなんだ!?

ジュークと同じように笑うことはできなくて、しかめ面を浮かべる。

するとそれに気付いたのか、ジュークは一度目を閉じ、表情を作り替えた。

いつもの、執事の顔に。

「体調が優れないようだと、カムリから報告を受けております」

「カムリが?」

「はい」

にっこりと微笑まれて、諦めのため息をこぼす。

カムリか。

ジュークに報告する程に心配してくれたって事…なんだろうな、やっぱり。

カムリの、裏表のない性格ならきっとそうなんだろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ