テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第7章 俺が守るから

姉上の部屋の扉をノックすると、おそるおそるといった様子でシルフィが顔を覗かせた。

俺の姿を確認すると、驚きで目を見開き、慌てて扉を大きく開く。

「テリオス様!!ご無事でしたか!?」

「ああ。大したことはない」

シルフィの背後を窺うと、シルフィが眉を下げた。

「あ…あの、ティアナ様は…」

「主治医のセンセイから聞いてる。…入ってもいいか?」

「あ、はい。どうぞ」

シルフィが脇に寄り、俺は姉上の部屋に入った。

以前のようにむせ返るほどの薔薇の香りはしない。

だけどテーブルの上に、可愛らしくアレンジメントされた花が活けてあった。

俺が言ったこと、分かってくれたのか…。

薄く笑みを浮かべると、寝室へ足を向ける。

念のためノックする…が、返答はない。

「姉上、開けるよ?」

声をかけて寝室に入った。

天蓋付きの大きなベッドに眠る姉上。

カーテンを閉めていて、部屋が暗いせいだろうか?

いつにも増して、顔色が青白いように見える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ