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プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

こんな状態の姉上に無理させる訳にはいかない。

「わかった。俺が行くよ」

「え!?」

目を丸くした姉上に、ウインクすると

「大丈夫!!バレないようにうまくやるから」

と明るく告げた。

俺と姉上は双子で、顔や体つきがよく似てるんだ。

服やアクセサリー、化粧なんかで誤魔化せる自信はある。

「でも…」

渋る姉上の両肩に手を置き

「そんな体調で会う方が失礼だよ」

顔を覗き込んで説得する。

「テリオス…」

困ったように俺を見返す姉上の目が揺れた。

「大丈夫。顔合わせだけだろ?」

安心させるために、自分でも極上だと思う笑顔を浮かべた。

「俺に任せろって!!」



後に。

これが大きな間違いだったと気付く訳だが…。

この時の俺は、そんな事、微塵も考えてなかったんだ…。

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