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プリンス×プリンセス

第2章 姉上の婚約者

会見の間で、フェールロコノの一行と会合が始まった。

俺は、姉上の衣装の中でも一番露出の少ない、体のラインが出ないドレスを着ている。

姉上もそんなに胸がある訳じゃないけど(姉上、ごめん!!)さすがに胸元の見えるものはまずい。

喉仏が見えないようにチーフを巻き、姉上のように化粧もした。

かつらで髪形を真似れば…うん、完璧。

今のところ、誰も気付いてない。

国王も、兄上もだ。

…まぁ、二人とも緊張しきってて、それどころじゃないのかもしれないけど。

それならそれで、好都合。

澄ました顔で、フェールロコノの一行を観察した。

今日ここにいるのは、王子とその専属執事。

あとは入り口に護衛が3人。

結構、軽装備なんだな。

命を狙われる心配は無いのか?

それとも、うちの国を信頼してるって意思表示なんだろうか…?

ふと、王子と目が合った。

鮮やかなライトブルーの瞳。

見透かされているみたいで、ドキッとする。

「何だ?」

「あ…いえ、何も…」

姉上の真似をして、俯いて視線を反らした。

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