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プリンス×プリンセス

第51章 微笑み

「え?」

そんな話、初めて聞いた。

驚く俺を、ジュークは肩越しに見て

「お聞きではありませんか?」

首を振ると、ジュークは目元を柔らかく細めて、歩みも少しゆっくりになった。

「あなたはディオチェスター様と親しいので、てっきり…」

言いかけて、口元に手を当てて言い淀んだ。

…これは姉上ではなく、俺に言ったんだろうな。

ジュークは俺とディオのこと…本心ではどう思ってるんだろう?

「てっきり…聞いていると思っていた?」

なるべく明るく、どうって事でもないように聞こえるように話すと

「どこまでお聞きになっていますか?」

その…探るような聞き方、すっげぇ気になるんだけど!!

「…ジュークを身ごもって、姿を消したって…」

どう話したって、元々がいい話じゃないんだから口調が重くなってしまう。

すると、それをどう受け止めたんだろうか?

「そうです」

ジュークは固い声で肯定すると、どこか遠いところを見ているかのような目で話し始めた。

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