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プリンス×プリンセス

第51章 微笑み

あの時は姉上がとめたから詳しくは聞けなかったけど…

「違う…のか?」

「自殺などしません」

きっぱりと否定された。

「え…だったら」

何でディオは嘘を教えたんだ?

そう聞きたかったのに

「母は殺されたのです」

「え…?」

ジュークの言葉に、その質問は消えて無くなった。

「………誰に?」

震える唇に何とか力を込めて、どうにかそれだけを訊く。

殺されたと言うからには、ジュークには犯人が分かっているんだろう?

ディオが思い違いをしているのでなければ。

ディオが嘘をついたのなら。

もしかして…犯人って……

最悪な結果が頭の中を巡り、心臓が痛いくらい激しく音を鳴らす。

だけどジュークは前を向いたまま、俺の欲しい答えをくれなくて…

「ジューク!」

堪えきれなくなって声を荒らげて名前を呼べば、急にジュークが立ち止まった!

「なっ…何!?」

何を言われても大丈夫なように、心を落ち着かせようと努めた。

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