
プリンス×プリンセス
第51章 微笑み
階段の上部から、少しだけ鼻にかかったような声で名前を呼ばれた。
「え…あ、はい」
慌ててそちらの方向を向く。
すると、ストールを肩にふわりとかけた女性がゆっくりと階段を降りて来るところだった。
艶やかなストレートの黒髪は肩の辺りで真っ直ぐに切り揃えられている。
髪が揺れる度に、大振りなイヤリングが見え隠れして、キラキラと光を反射させた。
「待たせて申し訳なかったわね」
罪悪感など何も感じさせない口調で言うと、右手の小さめなクラッチバッグを持ち上げた。
「忘れ物を取りに戻っていたものだから」
その人は階段を降りきった所でふふっと小さく笑う。
俺は立ち上がって近くに寄ると、挨拶を口にした。
「初めまして」
「こちらこそ。来てくださって嬉しいわ。レジアスよ」
差し出された手をとって握手をすると、レジアスは周りを見回した。
「ディオチェスター殿下は?」
「申し訳ありません。まだ向こうで」
「え…あ、はい」
慌ててそちらの方向を向く。
すると、ストールを肩にふわりとかけた女性がゆっくりと階段を降りて来るところだった。
艶やかなストレートの黒髪は肩の辺りで真っ直ぐに切り揃えられている。
髪が揺れる度に、大振りなイヤリングが見え隠れして、キラキラと光を反射させた。
「待たせて申し訳なかったわね」
罪悪感など何も感じさせない口調で言うと、右手の小さめなクラッチバッグを持ち上げた。
「忘れ物を取りに戻っていたものだから」
その人は階段を降りきった所でふふっと小さく笑う。
俺は立ち上がって近くに寄ると、挨拶を口にした。
「初めまして」
「こちらこそ。来てくださって嬉しいわ。レジアスよ」
差し出された手をとって握手をすると、レジアスは周りを見回した。
「ディオチェスター殿下は?」
「申し訳ありません。まだ向こうで」
