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プリンス×プリンセス

第51章 微笑み

ダンスホールの方を指差せば、レジアスは肩をすくめて笑った。

「やっぱりね。手放してもらえないのはいつもの事だもの」

やっぱりとか、いつもとか。

さらっとそう言えるくらいには、ディオをよく見ているって話だよな。

目立つから、嫌でも目に入るって説もあるけど。

自分の想像に笑ってしまいそうになって、それをこらえていると

「ずいぶんと大きくなったのね」

「え?」

唐突な切り口に、レジアスを見る。

彼女の目線は、俺の腹を見ていた。

「おなか…産み月はいつ?」

「あ…再来月あたりです」

姉上が前に言っていたから、これは間違いない。

だけど…姉上のシルエットに似せてダミーを仕込んだけど…大きすぎたか?

何か…女の人の目だと、不自然に思うところがあるんだろうか?

どきまぎしながら答えると

「そう」

レジアスはじっと俺の腹を見て…フッと笑った。

「お身体ご自愛なさってね」

「ありがとうございます」

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