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プリンス×プリンセス

第51章 微笑み

レジアスの腕を掴んで支えた。

すると…

え?

レジアスが、俺の腕を捕まえた。

思いの外、強い力で腕を掴まれて、そのまま引っ張っられて…

急に、突き離されるように手を外された!

ただでさえダミーのせいでバランスを取りづらいんだ。

ヤバイ!!転ぶ!!

そう意識して、咄嗟にレジアスを見る。

手すりに捕まって体勢を整えながら俺を見る、レジアスの顔は…

笑って…る?

真っ赤な口紅を塗った唇が、半月状に弧を描いていた。

「…っ!!」

階段が目前に迫る。

何かに掴まろうと手を伸ばすけど、その手は空を切った。

そして…

ゴトン!!ガタガタガタン!!

階段を転がり落ちる音と、体を打ち付ける痛み。

それと共に

「ティアナ様!ああ、どうしましょう!?誰か!!誰かいないの!?」

レジアスの、芝居がかった叫び声が聞こえた…。

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