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プリンス×プリンセス

第52章 信じる力

このやりとりで、気付いてしまった。

キサンタンガムへ、私ではなくテリオスを連れていったのは…

ジュークの横顔を見て、確信めいた思いが沸き上がる。

あなたは…こういった事態に陥るって、あらかじめ予測していたのではないの?

キサンタンガムへ向かう準備をしていたときに、ジュークが言った言葉。

「ティアナ様、貴女のためです」

あの時は、私の体調を考慮しての話だと思っていた。

でも、もしかしたら…階段から突き落とされたりするから…

私の身の安全のために…?

思わず口を手で覆った。

だって…そうでもしないと、叫び声をあげてしまいそうだから。

今までだってテリオスに身代わりはしてもらったけど、それは私が具合が悪かったりで、ままならなかったから。

こんな…命をかけるなんて、影武者みたいな事は望んでない!!

あの婚約会見の時…

私を守るために、背中をペイント弾で撃たれた。

その後、テリオスは何でもないふりをしていた。

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