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プリンス×プリンセス

第52章 信じる力

「あの場で医者に診せる訳にもいくまい?」

それを聞いて、テリオスが唇を歪めて

「まあな。姉上のふりをしてるのがバレるのはまずいだろ?」

ありがとな、ってジュークに言葉をかけた。

「テリオス様が大人しくしていてくれたお陰です」

ジュークはそう言うと、クスッと笑いをこぼし

「とても抱きやすかったですよ」

「は…!?」

その一言に、テリオスが険しい顔になった。

それに気付いてるはずなのに、ジュークは更に言葉を連ねる。

「思っていたより軽くて驚きました。本当に女性のようですね」

それを聞くうちに、テリオスの肩が震えだした。

あ…!テリオス、本気で嫌がってる!!

「…やめろよ、馬鹿にしてるのか?」

テリオスの、低く抑えた声に動じる事もなく、ジュークはにこやかに微笑むと

「いいえ。そのお陰でこういった事態でも対処できます。…ディオチェスター様もそう思いませんか?」

そう、話題をディオに振った。

「そうだな」

ディオは短くそう答えるだけで…

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