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プリンス×プリンセス

第52章 信じる力

「それで今後ですが…ティアナ様?」

ジュークに呼び掛けられて、はっと我に返る。

「あ…ごめんなさい」

「どうしました?お顔の色が…」

「ちょっと…気分が…」

なるべく皆に顔を見られないようにうつ向く。

気分の問題じゃないから。

悟られたら…それこそ何も答えられない。

けれど、誰もそれに気付かないようで

「聞いて気持ちのいい話ではないからな」

「姉上…部屋で休もう?」

テリオスが心配そうな顔で私に駆け寄ってくれる。

テリオス、ごめんなさい。

あなたはこんなに私に親身になってくれるのに。

私は…あなたに何を返せているの?

「私は大丈夫よ。…ごめんなさい」

「でも…」

テリオスを頼らずに一人で立ち上がる。

大丈夫。一人でも歩いて行けるわ。

「申し訳ありません。部屋へ戻らせてもらいます」

「なら俺が」

「あなたはディオに付き合ってあげて」

私とディオを等分に見て、テリオスは顔を曇らせた。

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