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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

生まれてからずっと、一番近くにいた姉上。

姉上の考えることは分かるし、理解もしてきた。

だけど、今回は…

理解はするけど、納得できない。

だって…明らかに無理してるだろ!?

結局、姉上の公務に俺もくっついて回っている。

ディオに呆れられるかもしれないけど、姉上が心配なんだ!悪いかよ!!

「あなたのそのお気持ち、私はいいと思いますよ?」

ジュークからの突然の誉め言葉に面食らった。

「ティアナ様はいい弟君をお持ちですね」

「…何だよ、それ」

「いえ。正直な気持ちです」

そう言ってにっこり微笑むけど…やっぱりいつもの微笑みで…

何か、胡散臭い。

「あなたがティアナ様を心配される。そんなあなたをティアナ様が心配する。本当に…よく出来たご関係ですね」

感心するような口調でさらりと告げられて、その内容に眉をひそめた。

「何が言いたいんだ!?」

「そうですね…言いたいことは色々ありますが」

そう言って言葉を止めると、姉上を目で追った。

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