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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

どくん!!

頭が揺らぐほど激しく心臓の鼓動が鳴り響く。

姉上を送った後…?

後って…どれくらい後だ!?

「あの時」

動揺を隠せない俺を見て、ジュークは困ったように力弱く笑みをこぼすと

「私は扉を開けるべきでしたか?」

「お前…っ!!」

分かって言ってるだろ!?

唇の端が震える。

悟られたくなくて、ぐっと力を込めた。

「開けなくて正解…のようですね」

口元に力を込めているからか、頬がピクピクと痙攣する。

そんな俺を見て、ジュークはふっ…と小さく息を吐くと

「私の判断が間違ってなくて良かったです」

そして、にっこりと微笑んだ!!

それは…どういう意味だ!?

お前の判断って、何をどうしたものなんだよ!?

頭に血がのぼって、顔が熱くなっていくのが分かる。

だけど逃げたくない。

姉上のためにも、ディオのためにも、俺はここにいるって腹を括ったんだ。

赤くなった顔で真っ直ぐにジュークを見上げる。

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