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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

視察から戻ってきて…

姉上もさすがに疲れたのか、自分の部屋に戻っていった。

俺も邪魔をするつもりはないので、そのまま自分の部屋に下がり…

考えてしまうのは、ジュークの言葉。

『あなたにその覚悟がおありなら』

覚悟?

……何の?

「……ス様…?」

姉上を守る覚悟?

それとも…ディオの側にいる覚悟…か?

「…リオス様…」

いや、あいつの言い方はそんなんじゃない。

俺に…何をさせたいんだ!?

「テリオス様」

大きな声で名前を呼ばれて、驚いて体が跳ね上がった!!

「あ、すみません!!驚かせるつもりではなかったのですが…」

白い陶磁器のティーポットを手にしたカムリが、恐縮したように俺を窺い見ている。

「いや…俺が悪かった。ちょっと考え事をしていて…」

ふわりと花のような甘い香りが漂う。

「ん?この香り…お茶?」

聞けばカムリが嬉しそうに笑う。

「はい。紅茶にベリーを数種入れたものです」

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