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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

確かに怪我はもう大したことはない。

擦り傷は所々かさぶたになっている。

打った所なんかはカムリに湿布を貼ってもらったからか、腫れも引いて痛みもない。

どれくらいよくなったか、カムリも気になってるんだし…

見せたところでどうってことはない。

…はず、なんだけど…

ディオの声が頭の中でする。

『必要以上に触らせるなよ』

カムリに嫉妬して、少しだけ拗ねたような甘えかたをして…

『お前は俺のものだ』

アイツの独占欲の強さは知ってる。

けど…たまーになら、ああいうのも…アリなの…かな…?

「テリオス様?」

カムリに呼ばれて、ハッと我に返る。

「あ、心配してくれてありがとな!」

カムリに紅茶を注ぎ足してもらう。

その間、さっきまでの自分の考えに身悶えしたくて堪らなくて…

……あぁ!!もうっ!!くそっ!!!!

別にディオに言われたからじゃないんだからな!?

紅茶を飲みながら眉を寄せて頭の中の声を追い払う。

そんな俺を、カムリは首を傾げて見ていた…。

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