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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

前だったらこんな風にきいて来なかったよな。

そんなにおかしな態度を取ってたんだろうか?

あ、違うか。

態度じゃなくて、表情で気付いたって言ってたっけ。

紅茶を飲みながら、カムリの様子を窺う。

すると俺の視線に気付いて…首をちょこんと傾けた。

「何か?」

表情で気付く程…

それだけ長い間、仕えてくれてるって事か。

本当に…今更ながらだけど。

「俺の執事がカムリで、本当に良かった」

「え…え、あ、や、あの…ありがとう…ございます…」

顔を赤くして焦りながら答えるカムリが可愛くて、クックッと笑ってしまうと

「あ!そういえば…テリオス様、お怪我の具合はどうですか?」

明らかに話題を変えてきたな。

少し弄りすぎたかな?

「ああ、問題ないよ」

腕を上げて見せると

「そう…ですか?」

カムリが傷を見ようと近付いてきた。

「そんな…心配しなくても大丈夫だって」

明るく振る舞って腕をもとに戻すと、カムリもそれ以上は触れてこなかった。

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