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プリンス×プリンセス

第55章 念願の日

「ティアナ様が産気付きました!!」

そんな連絡を受けたのは、夕食をとってしばらくした頃。

慌てて姉上の元に駆けつければ、姉上は自分の部屋のベッドの上で…

呑気そうに、アップルジュースを飲んでいた。

「姉上?」

「あら、テリオス。どうかしたの?」

いや、それはこっちのセリフだ。

「産気づいたって…」

「そうなの。さっき陣痛がきて」

それにしちゃあ平然としすぎてないか?

「先生は?」

「医務室じゃないかしら?」

「呼ばなくていいのか?」

すると姉上はクスッと笑い

「テリオス、まだ1度陣痛があっただけよ?」

「まだご出産までには間があるかと」

シルフィの忠告に、ふう…と息をついた。

「テリオス…そんなに慌てないで」

「あ、ごめん…。待ち焦がれた日だからさ」

その言葉に、姉上はにこりと微笑んだ。

ずっとベビーの誕生を待ちわびてた。

やっとその日がきた!!

なのに…

「何だってこんな日にアイツはいないんだよ!!」

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