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プリンス×プリンセス

第55章 念願の日

すると…

「俺もお前に早く会いたい」

…へ?

突然の甘いセリフに、思わず目を丸くしてしまう。

そんな俺の反応に気付いたのかどうなのか

「分かった。善処する」

ディオはそう言うと、そのまま通話を切りやがった!!

「違う!そうじゃなくて!!」

俺の否定は誰も聞いてくれない。

お前…絶対勘違いしてるだろ!?

無反応の携帯電話に向かって怒鳴った。

「だから!!聞けよ!!」

…ったく!!

大きなため息をつくと、ソファーに沈み込んだ。

こんなことでわざわざ電話を掛けなおすのもはばかれた。

…まぁ、明日には帰ってくるんだ。

もう1度ため息をついて…頭をかきむしる。

『俺もお前に早く会いたい』

不意をつくセリフが耳に残って…こんなの、どうしろって言うんだ?

「…んなの…」

耳をふさいで、奥歯を噛み締める。

頭の中で歯が擦れ合う音がやけにでかく聞こえて…

慌てて息と共に吐き捨てた。

「さっさと帰ってくればいいんだ!!」

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